カンボジアの交通事情を2005年頃に撮影したものです。
2014/07/08 写真のリンクが切れていましたので、文章も含めて多少修正しました。
2005年の時点ではカンボジアには鉄道線路があるのですが、不定期なうえに危険だそうで地元の人も利用しなかったようです。ここがそのプノンペン駅の正面です。
駅構内はこんな感じですが、鉄格子がしまっていて入れません。
その鉄格子越しに見たプラットフォームです。タンク車や貨車が30車ほど並んでいたので、荷物運びには使われているようです。2009年前後には南の海岸地方とつながる線路が修復されました。南部海岸では石灰石がとれ、それまでの赤茶色のラテライトを焼き固めたものからコンクリートに街並みが変わるかも知れません。
南側には使われなくなった蒸気機関車が展示されていますが、駅構内にあるため近寄って詳しく見る事はできませんでした。除煙板(デフレクター)にある番号131-106とフランスとの関係を元に調べてみると、Wikipediaに131はフランス式の車軸配置と書かれていました。形状から見てもフランス製の蒸気機関車のようです。
カンボジアでは鉄道の代わりにバスなどの車が主な移動手段になっています。
プノンペンから地方の都市へは定期バスが走っています。日本でよく見るバス(クメール語でランクロンと呼びます)の他に、マイクロバスや幌付きの小型トラックも走っています。屋根に荷物が山積みで、その上に人が乗っているという、テレビでよく見るアレです。小型トラックはルジュン・スノールと呼びます。
カンボジアは北回帰線よりも南にあるので、4月5月の時期は太陽が真上から強烈に差します。この車の陰が真下にあるのが分かりますか?カンボジアの人達はこの極暑の中をギュウギュウ詰めの状態で5時間以上乗ります。途中休憩もあるそうですが、よく我慢できるものです。
マイクロバスやワンボックスカーはツーリスト(英語がクメール語になったもの)と呼ばれて、こんな感じで使われています。
トラックの後ろに立って乗るルジュン・チュノールという乗り合いバスもあります。こんな車が事故るととんでもない事になりますが・・・。
こんなトンでもないルジュン・スノールもいます。
下の写真はプノンペンを南北に走る大通りモニボン通りを走っているトラックを後ろから撮りました。何を運んでいると思います?
答えは2m x 3mぐらいのガラス板4枚を四人で支えながら運んでいます。四人を支えるものは何もなく、足で踏ん張っているだけです。車は交通渋滞の中を下手な運転で急発進急停止を繰り返しながらギクシャクと走っていました。
村間の人の移動には以前にも紹介したバイクに二輪の荷台を付けたものを使っていて、ルモと呼んでいます。
上は田舎のバスと言ったところですが、プノンペン市内では荷物運びに活躍しています。下は何やら巨大な箱と家具を運んでいます。
自転車に荷台を付けてもルモですが、バイクはルモ・モト、自転車はルモ・チュンと呼び分けています。モトはバイクの事で、チュンは足の事です。プノンペン市内ではあまりルモ・チュンを見かけません。
プノンペン市内の移動には人数によって幾つかの方法があり、四人以上でよく使われるのがこのトゥクトゥクで、欧米人も「エスニック エスニック」と喜んで観光によく利用しています。2009年頃では両側から乗るタイプのトゥクトゥクをよく見かけます。
ちなみにプノンペンに来る欧米人は必ずと言っていいほど日本製デジカメやデジタルビデオを持っています。ただし古い型です。逆にプノンペンに在住するカンボジア人の金持ちはソニーなどの最新デジカメやビデオを持っています。
トゥクトゥクの他にもインド産ではないかと思われる車モト・カンバイもよく見かけます。
一人から三人ぐらいの市内移動によく使われるのがスクータを使ったタクシーでモトドップと呼ばれています。このモトドップに運転手も含めて四人が乗ると曲芸になります。
大人が5人乗るという曲芸もあるそうです。他にも幾つか紹介すると・・・まずは、米袋を前に一つ、後ろに二つ、その上に人が一人乗って、二台が一緒に走るという曲芸です。
こちらは扉を立てた状態で運んでいます。
ドライバがビニル袋や野菜に埋まっていたり、いろいろな曲芸を見る事ができます。
鶏やガチョウを逆さづりにして運んでいるのもいますが、生きたままです。できるだけ新鮮な肉を売るためであって、鳥インフルエンザのためではない・・・と思います。
他に豚を狭い竹籠に詰めてバイクで運ぶ事がありますが、豚も生きたまま市場に運ばれます。プノンペンではいつでもバナナがありますが、20本ほど付いた一房が25円ほどで売られています。このバナナをバイクで運ぶ時はこんな感じになります。
東南アジアの人にとって日本製の良さは高性能でも壊れにくい事でもなく、滅茶苦茶な整備や改造をしても走るという点だそうです。他の国のバイクは日本製と同じように扱うと壊れてしまうそうです。この辺はトヨタもよく知っているようで、トヨタが人気の理由は修理部品の流通にもあるようです。
いっぽう人力では、前に荷台を付けたシクロという自転車があります。これには人間だけでなくソファーや冷蔵庫、エアコン3台、などを運ぶ曲芸もあります。まずは普通の乗り方で・・・
次はタンスです。
これは、四分六版のベニヤ板を運んでいます。
家財道具一式ですが、何やら後ろに突き出ています。
家具を作っている地域ではこんな姿もよく見られます。
ベッドクッションを乗せている最中ですが、この後何枚乗せたか・・・(笑)
普通の自転車も負けていません。
ちなみに、この自転車は北に向かって走っているのですが、前輪の影をよく見ればわずかに北から太陽が差しているのが分かります。この自転車は見ての通りプラスティック製品を積んでいるのですが、後ろから見るとこんな感じです。
もっとうずたかく積んでいる自転車もあります。
次は風船屋さんで、後ろに風船をふくらませるためのボンベを二本積んでいます。
プノンペンではこんなサーカスのような光景を毎日見る事ができます。
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