2011年3月2日水曜日

ケーブルの一本化

その昔に、ステレオのアンプやスピーカを繋げると言うだけでガールフレンドから尊敬された時代がありました。それほどケーブルの接続は面倒で間違いやすいものでした。

いま、お手元のコンピュータやテレビ、オーディオなどの後ろを見てください。ゴチャゴチャのケーブルが大量のホコリやゴミと共にあると思います。ひどい場合には何か怪しい生き物の住み処になっているかもしれません。

ケーブルを一本にまとめることの価値を低く評価する日本人がいるようですが、Steve Jobsは異なります。

Steve JobsはNeXT時代からコンピュータから出てくるケーブルの束をまとめたいと考えていました。Cinema Displayでも映像ラインの他にUSB、FireWire、電源を一本にまとめようと努力しています。FireWireがIsochronous技術で動画を扱いやすくしたのも、その一端と見ることができます。

そのJobsの意向を受けて開発された技術の一つがThunderbolt、とも言えそうです。

ケーブルを一本にできれば装置の見た目も美しくなり、回路基板上のフットプリントも小さくでき、ひいては省エネにもつながります。しかし、それだけの大量の情報を通信させるには、広いバンド幅が必要です。その一つとして光ケーブルが検討され、結論としてメタルに落ち着いた、とも考えられそうです。

もちろん最終的にはコネクタがない、つまり無線通信が理想とも言えます。しかし、有線ですらこれだけのバンド幅をえるための技術開発に時間がかかっています。無線で同様の性能を得るには、よほどの突飛なブレイクスルー(技術的だけでなく法的にも)がないかぎり、さらに長い時間がかかると思われます。

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