十年以上前の話しになりますが、電子楽器のメーカーで修理や改造をしていたことがあります。そのころに修理の部品代や技術代(人件費)などの価格体系を決めるために苦労したことがあります。
ある集まりで、カンボジアにボランティアできている人が「日本では修理代が高くて困る。カンボジアで修理したら日本の数十分の一だ。」と嘆いていました。
修理代金は修理に対する品質保証など、さまざまな考え方があるため一概に評価することは困難です。しかし、一般的に修理代は部品代よりも人件費の占める割合の方が遥かに多くなります。
つまり、修理代が高いと言うことは人件費が高い、人件費が高いと言うことは給料が高いと言うことにつながり、所得が高いと言うことになります。
逆に言えば修理代が安いと言うことは、所得が低いと言うことです。
ボランティアの目的の一つに支援先の生活向上のための所得向上があると思います。所得を向上させるためには、賃金が上がらないと行けません。つまり、ボランティアは修理代が安いと喜ぶのではなく、修理代が安いと悲しまなくてはなりません(笑)
また、「カンボジアの物価は日本よりも安いのだから」と言って、相手の儲け分を無視して値切って買おうとする「値切り」マナーの悪い人すらいます。これも同様にボランティアが値切るのは良くないことで、「外国人価格」を支払って支援先の所得の向上にわずかでも役立たないといけません(笑)
もちろん、買い物の楽しさの一つに、値切り交渉の楽しさがあります。やり取りの楽しさの他に、安くなれば安くなるほど楽しいと言うこともあります。それならば、安くなった分の一部でもチップとして渡すことが、外国人ボランティアのマナーではないでしょうか?
ところで、「日本にはチップの習慣がない」とテレビでうそぶく有名人を見たことがあります。彼や彼女は「心付け」や「祝儀」という大昔から日本にある習慣を忘れた寂しい日本人です。いかに上手く心付けを渡すかが、その人の品位を示すこともあります。
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